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はじめに

親猫の子猫ちゃんへの愛情って、本当に深いですよね。
もしかすると、人間を超えるくらいに。

親から子へとそそがれる愛情、それに関するお話はたくさんあります。
感動する話から悲しくなる話まで。

今回は、アメリカで実際にあった偉大な母猫の話です。


事件

1996年3月30日、アメリカのニューヨーク州ブルックリンで事件が起こりました。
人気のない放置ガレージから火の手が発生。
原因は不明
もしかすると、放火や漏電かもしれません。

炎は激しく燃え広がり、かけつけた消防員が必死で消火にあたりました。

炎

そんな時、消防隊員はある不思議な光景を目撃します。


不思議な光景

消火中の消防員が、ある光景を目にしました。

それは1匹の猫ちゃん。
その猫ちゃんは、なぜか燃え盛る炎の中へとみずから入っていったのです。
なぜ自分から炎の中へと入っていくのか?
消防員は、驚きと同時に心配の気持ちでいっぱいになりました。

しばらくして、その猫ちゃんは炎の中から無事に戻ってきました。
当然、全身にやけどを負ってしまっています。
だというのに、その猫ちゃんは再度炎の中へと入っていったのです。
結局、炎の中を5回も往復しました。

なぜやけどを負ってまで何度も炎の中へと入っていったのか?
そこには驚きの理由がありました。

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衝撃の理由

実は、そのガレージの中には猫ちゃんの子供が5匹いたのです。
生後3ヶ月くらいの子。
炎の中へと入った猫ちゃん(母猫ちゃん)は、その子供たちを1匹ずつ助け出しに行ったのというのが驚きの真相でした。

自分の体をかえりみずに炎の中へとわが子の救助に向かった母猫ちゃん。
当然、その体は炎に焼かれて酷い状態になっていました。
顔は腫れあがり、体のあちこちが焼けただれ、体毛もほとんど残っていない状態。
重症です。

それでも、母猫ちゃんは子供たちを優先しました。
最後の子を助け出し顔を近づけて無事を確認した後、ついに母猫ちゃんは力尽きて昏倒しました。

母猫


親子のその後

その光景を見た消防隊員のデヴィッド・ジャネリ氏によって、母猫ちゃんと子猫ちゃんたちは病院へと運ばれました。
瀕死の重傷でしたが、医師の努力により無事に命を取り留めることが出来ました。
そして、3ヶ月にわたる治療を経て、なんとか普通に生活できるだけの体調まで回復したのです。

もともと野良猫だったと思われるこの親子。
この状態でそのまま放つわけにはいきません。
里親募集が行われ、無事に優しい飼い主のもとへとひきとられていきました。
母猫ちゃんは「スカーレット」と名付けられたそうです。

こうして時を経た2008年10月11日。
この愛情深く勇敢な母猫「スカーレット」は、静かに息をひきとりました。

スカーレット


最後に

 

自分の身を犠牲にしてわが子たちを救い出したスカーレットちゃんの行動。
その愛情と勇敢さに世界中の人が感動しました。

本当に母の愛は偉大です!

この話は、英語版WIKIPEDIAにも記載されています。
興味があるかたは、「Scarlett (cat)」で検索してみてください。

スカーレットと子猫たち